徹底したリスク管理が大事

不動産投資は株や仮想通貨やFX(外国為替取引)などと比べると比較的リスクが低い投資商品と言われています。それは先が読みやすく、見通しが立ちやすいからだと思いますが、もちろん不動産投資もリスクが低いわけではありません。

参照▷「不動産投資とは」

考えられるリスクに対して事前に対策をしておかなければ、せっかく計画していた資産形成が崩れてしまう事態に陥るかもしれません。
逆に徹底したリスク管理を行うことができれば、不動産投資の成功はグッと上がるでしょう。

不動産投資におけるリスク

不動産投資におけるリスクとは2つに分けることができます。

1つ目は不動産を購入する前のリスクと、もう一つは購入してからのリスクです。

購入する前のリスクは他の投資と同じで後から地価が下がったり、購入資金の借り入れをした場合に金利が上がって返済が大変になったり、返せなくなったりすることです。
さらに売却時に地価が下がってしまうリスクなどがあります。

購入してからのリスクとしては次の点があげられます。

空き室リスク・滞納リスク

不動産投資で発生しやすいのが、空き室が増えて家賃収入が激減するという問題です。
オーナーとしてはできるだけ空き室を発生させたくないものですが、立地条件が悪いとか、家賃が高すぎるなどの理由で入居者が敬遠する物件が存在することも事実です。
仮に立地条件があまり良くない場合は、家賃を相場よりも下げて入居者を募るという選択肢もありますが、既に入居している人との間に不公平が生じないようにすることも大切です。

修繕リスク

新築時は室内や設備が真新しかった物件も、年数を重ねて入居者が入れ替わる度に経年劣化が激しくなります。
入居者が変わるたびに修繕をしていては費用がかさむため、必要最低限の修繕に留めて入居者を募ってもなかなか決まらないという状況になります。
物件の耐久年数も限られているため、大掛かりな修繕が必要になった時にはどのような対応策が必要になるのかという点も考慮しなければいけません。
ある程度は不動産のオーナーとして勉強が必要な部分も多いですが、場合によっては専門家に任せなければいけない事も考えられます。

特に土地を貸した場合は、新しく建物を建てるときや、改装する際に面倒なことになりがちです。
借地権周りの権利は複雑なので、よほどのことがない限りは土地だけ貸すことは避けています。
少しだけ貸している土地があるのですが、その物件は借地権専門の不動産業者に任せています。（参考▷借地権売買・売却に関して）
このように、不動産でどうしても面倒なことは、任せられる業者を知っておくと便利です。

災害リスク

地震や火災、水害など様々な自然災害や人的災害によって生じるリスクも考慮しなければいけません。
特に複数の人が入居しているマンションやアパートの一室から火災が発生した場合、火元を消火するために大量の消火剤が散布されます。
火元の部屋だけではなく、周辺の室内にも大きな被害を及ぼすことになります。
このような結果になると、何の落ち度もない他の入居者は今まで通り生活することができない状況になるため、不動産のオーナーとしても何とか対応を取らなければいけません。

不動産を購入すると必ずと言っても良いほど火災保険へ加入するものですが、保険料が高額であることと、不動産オーナーが加入するのはあくまでも建物だけという場合が多いです。
保険料は契約年数が長くなり、物件の構造によっても大きく変わりますが、数百万円単位で費用が必要になる場合があります。
中には保険料を支払うことができないため、火災保険へ加入していないというケースも考えられるのです。

また、火災保険の対象が建物だけということは、家財に関しては一切補償されません。
災害で家財道具が全く使えなくても、オーナーは補償できないということを事前に周知しておく必要があります。
基本的には家財については入居者が自分で加入するものだときちんと説明しておきましょう。

リスクへの対策で一番大切なこと

不動産投資リスクへの対策は、できるだけ事前に綿密な計画を立てることが重要ですが、何より一番大切なことは不動産投資会社選びではないでしょうか。

パートナーとなる不動産投資会社は実績がある会社でデメリットやリスクも隠さず説明してくれる会社にすることです。

また実績があるというのも見逃せないポイントのひとつで、不動産投資におけるノウハウが蓄積し信頼のおける業者を見極めることこそが一番大切なことと言ってもよいでしょう。

もちろんご自身で勉強をすることもおこなってはなりません。
不動産に関する知識は常に増やし、経済状況や法律などなど時代の流れもつかんでおくことは不可欠です。

さらに建築物にも詳しくなることで、的確な修繕方法を選択することができます。

こうして、あらかじめ予想がつくことに対して対策を打っていくことができるため、収支のシミュレーションを立てやすいというのが不動産投資のメリットだといえます。

不動産投資には不動産の現物を持たないREIT（不動産投資信託）もありますがリスク対策しシミュレーションが立てやすいのは現物の不動産です。

そうした相談は信頼のおけるプロの不動産会社とパートナーを組むことができるかどうかが大きいのです。